==山芋==

==山芋==
山芋は大きく分けて4種類に分けられます。
現在もっとも多く流通している『長芋』は、中国が原産地。長い棒状で、水分が多く粘りが少なく、とろろにはあまり向きませんが、千切りにしてシャキシャキとした歯触りを活かした料理に使われます。
『大和芋』は掌の様な形で、なめらかで粘りが強く、とろろにむいています。
『捏芋』は主に関西で流通しており、こぶしの様な形をしていて味が濃く、とても粘りが強い山芋です。
『自然生』は、日本原産の品種で、日本の山野に広く自生します。縄文時代から食用にされていたそうで、長さは1m程にもなり、芋が土の中の石などを避けて曲がり伸び掘り出すのは一苦労、更に収穫できるまでに3年以上かかります。そのため市場にはあまり出て来ず高価なものでしたが、最近では畑のパイプの中でまっすぐに栽
培されたものが売り出されるようにもなりました。 その形や滋養強壮作用から、別名「山うなぎ」といわれておりました。
そしてこの『自然生』が、秋に葉の付け根の部分に養分を貯えてできる小さな球状の『零余子』むかごがあります。
旬は11月〜2月、収穫してすこし時間をおいたものの方が、水分がある程度抜けて粘りが強く、灰汁も少なく糖質も増えて美味しくなります。
山芋は良質の植物性タンパク質やでんぷん、食物繊維、カリウムなどが豊富です。豊富なでんぷん消化酵素のアミラーゼは、御飯などのでんぷんを強力に消化してくれるため、胃腸にやさしく栄養の吸収を助けます。しかしアミラーゼは熱に弱い酵素ですので、あまり加熱しすぎないようにしましょう。その他ムチンという糖タンパク質のネバネバの成分は、胃壁の粘膜を保護し、たんぱく質の消化吸収を促進します。山芋には大腸ガンや便秘や糖尿病の予防、高血圧予防、消化促進、滋養強壮などの作用があります。
保存は、新聞紙に包んで、凍らせないように気を付けて冷暗所で保存することで、冬場は2ヶ月保存できます。また、切ったものは、切り口をラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。すりおろしてから棒状にして冷凍すると、必要な量を折って使えて便利です。こうして冷凍した場合には一ヶ月程もちます。
子供の頃山芋を食べた時に、口のまわりが痒くなることがありましたが、山芋の皮の付近にあるシュウ酸カルシウムの鋭利な結晶が手や口などにささってかゆみを感じるようです。この場合、皮をむいたら酢水につけてシュウ酸カルシウムを溶かしてから料理するとかゆくなることはありません。また、かゆみがおこったときには、酢水で洗うとおさまります。私も大人になって面の皮が厚くなって痒くなることもなくなってしまったようですが。
それから山芋をするときには変色防止に、金属の卸金は使わない方がいいでしょう。また、すり鉢ですりおろすことで、一層なめらかになり、消化酵素のアミラーゼの働きも促進されます。